アラビア半島の誕生

斑れい岩

2024年1月3日、NHK BS で放送された「体感!グレートネイチャー 6億年!軌跡の絶景 〜初公開!サウジアラビア〜」を観たが、とても面白かった。

アラビア半島は、アフリカ大陸とユーラシア大陸に挟まれた世界最大の面積を持つ半島。大半はサウジアラビア王国の国土で、世界屈指の石油埋蔵量を誇る。番組では、主に地理的な成り立ちについて説明してくれた。

7億5000万年前に海上に火山によって島群がうまれる。これがアラビアの大地のもとになる。
上の水彩画は、番組で放送していたアラビア半島にあるラドワ山の麓の巨大な斑れい岩で、7億5000万年前のものらしい。斑れい岩は、地下深くでマグマが固まってできた石。アラビアの大地がかつては火山島だったことを示している。

6億年前、東ゴンドワナ大陸(現在のインド、南極、オーストラリアのもとになる)と西ゴンドワナ大陸(南アメリカ、アフリカのもとになる)の二つの大陸の間に挟まれた地域だった。火山島群だった地域は、大陸プレートの動きの影響で東西の大陸に挟まれる。

2億年前は超大陸パンゲアの一部だった。この時代、プランクトンなどの遺骸を有する海に面していたことで、現在の世界最大級の石油埋蔵量をもたらしたと考えられている。

5000万年前、大地殻変動によりアフリカ大陸から分離して、アラビア半島となる。この時にアフリカとアラビア半島が離れたことで生まれたのが紅海。

1万年前は緑が豊かだったが、6000年前頃から乾燥が始まり、現在の砂漠地帯が広がっていったらしい。

1万年前に描かれたといわれているムサイキラ岩絵に、当時のアラビアの自然が描かれている。ライオン、鳥、樹木など、現在のアラビアからは想像できない湿潤な気候だったことを伝えている。実際に、当時はライオン、カバ、ゾウもいたことが研究でわかっている。
湿潤だった大地が乾燥地帯になってしまったのは、熱帯収束帯の位置が変わった影響による。熱帯収束帯は赤道付近に上昇気流を起こす低気圧地帯。赤道付近の湿った空気が上昇して雨を降らすと、乾いた空気が北上してアラビア半島を乾燥させる。1万年前は、地球の公転の軌道と地軸の傾きが異なり、熱帯収束帯の位置がもっと北にあったため、アラビア半島は湿潤だった。

プレートテクトニクスのダイナミックな動きを考えると、地球のパワーは本当にすごい。人間は自然をコントロールすることはできないと思う。自然を敬い、恐れる気持ちを忘れてはいけない。

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