太田 竜一
学びなおすと世界史はおもしろい
ベレ出版
簡潔に言い表すと、「世界史の全体像を楽しく学びなおす」ための入門書と言える。
特徴としては、世界史全体をテーマに分けて話を進める作りになっていることがあげられる。
たとえば、第1章「農耕と文明」では、人類の誕生から世界各地で農耕が広まるまでに焦点をあてた話。気候の温暖化で増えた人口を養うために生まれた、農耕と牧畜。それにともない、定住を始める人々。やがて、都市が生まれ、都市を中心に文明が発展していく…。前半は、このように大きな視点から歴史を振り返るスタイルが多く、想像力を刺激してくれる。この他、海上交易、宗教、武器など、時代に応じたテーマに沿って内容をまとめているので、とてもわかりやすかった。
また、それぞれのテーマに応じた話の深さになっていることも理解のしやすさにつながっている。理解が進むと面白くなり、面白いからそのテーマを最後まで読み終えることができる。
お陰で、苦手だった近現代史を読み終えることができた(すでに、半分近く忘れてしまっているけど)。「はじめに」にも書かれているが、過去200年の歴史については、本書の後半の半分を使って書かれていて、前半に比べると、ほぼ二倍の濃度で話が進む。近現代史は、年号や国名など、ある程度の詳しさが伴うほうが、面白いし、今現在、世界が抱えている問題とのつながりも理解しやすくなる。
どのテーマから読んでも簡潔と詳細のバランスがとれていて、十分に読み応えはあると思う。何回も読み直して、世界史の流れを自分の頭に叩き込みたい。
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