黒柳 徹子
続 窓ぎわのトットちゃん
講談社
前作の「窓ぎわのトットちゃん」が書かれたのは42年前。冊数が少ない実家の本棚にも、「窓ぎわのトットちゃん」は置いてあった。それくらい、当時はこの本が話題になっていた記憶がある。「トットちゃん」という単語も黒柳徹子さんという人物も、幼い自分にとって身近な存在だったが、実は「トットちゃん」は数年前になってやっと読むことができた。子供の頃は、話題になりすぎたせいで、何かしら先入観のようなものがあり、「トットちゃん」を読みたいという興味を持てなかった。大人になってから読むことになったきっかけは、テレビ朝日で放送されていたドラマ「トットちゃん!」を観た影響がある。このドラマは、黒柳さんの人生をドラマにしたもので、女優の清野菜名さんが黒柳さんを演じていた。そして、ご両親を山本耕史さん松下奈緒さんが演じていた。ドラマがとても面白かったので、読んでみたくなった。
「続 窓ぎわのトットちゃん」は、前作と同じく、小説ともいえるしエッセイともいえる、不思議な作品。黒柳さんの子供時代から青春時代の話で、当時の様子が丁寧に読みやすく書かれている。読んでいると自然にその時の状況が頭に入ってきて、優しい気持ちになったり、昔の人はすごかったんだなと感動したり。
黒柳さんが続編を書こうと思ったきっかけとして、ウクライナでの戦争の影響もあったとおっしゃっていた。本書の前半は戦中から戦後の頃の話。自分が当時のような大変な生活をすることはとても想像できない。いま、戦争を実際に体験した人の話を聞く機会はどんどん少なくなっている。私も以前、祖母に戦争の話を聞こうと思っていたが、結局間に合わなかった。時々は、戦争について考えたり、勉強したいと思う。先人たちの話を知る機会があれば、また話を聞いてみたい。
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