小原 玲
シマエナガちゃん
講談社
北海道に生息しているエナガの亜種、シマエナガの写真集。エナガに特徴的な黒い眉斑(びはん)はなく、正面から見るとお団子のような容姿。体長は14cm、体重は8g。体の半分は尾で、本体はとても小さく、細い枝にもとまれる。樹液のつららをなめる写真は、まさに「雪の妖精」。苔と蜘蛛の巣で作った巣は、見た目が周りに同化しているし、ふわふわして気持ちよさそう。こんな生き物がいたのかと驚く。
2021年に亡くなられた動物写真家の小原玲さん。先日、小原さんのドキュメンタリー番組を観た。
報道写真家として活躍していて、天安門事件の写真では世界的な評価も受けたけれど、写真を通して伝えたかったことが正しく伝えられなかったことで報道写真の難しさに悩んでいた。アザラシの赤ちゃんと出会って、動物写真家に転身。「”かわいい”の持つ力はすごく強い。”かわいい”、”好き”、”美しい”、を通して自然への好奇心を持ってもらい、環境や命の大切さに目を向けるきっかけにしてほしい」という内容のことをおっしゃっていた。
近年、シマエナガはとても人気があり、撮影する人も増えているらしい。小原さんは、シマエナガの撮影をする際も、シマエナガにストレスを与えず、天敵のカラスなどにシマエナガの存在を気づかせないように注意してほしいと、この本の中にお願いが書いてある。本当に優しくて、かわいい動物たちが大好きなんだなと感じた。
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