ナムジ

斐伊川

安彦良和

ナムジ

角川書店

オオクニヌシノミコトをモデルにした主人公ナムジの一生を通して、古代日本の成り立ちに迫った叙事詩(漫画だから詩ではないか)です。
元々は徳間書店から出版されていましたが、私が購入したのは角川書店から出版された全4巻のもの(古事記巻之一 完全版 ナムジ 大國主)です。
1巻のあとがきによると、原田常治さんの「古代日本正史」「上代日本正史」が本作を描くきっかけになったそうです。

魏志倭人伝に記されていた邪馬台国とその後に成立したヤマト王権との関係。
古事記に書かれている神話はどのような事実をもとに作られたのか。
先住していた縄文人と大陸から来た渡来人との歴史。
多くの日本人は、いまだに解明されていない日本古代史のミステリーに惹かれています。
自分たちのルーツを知りたいという好奇心だけでは説明できない情熱を日本人は持っているのかもしれません。

安彦さんの絵はとても美しく、どのシーンも絵に見とれてしまいます。
全ページカラーだったら最高でしたが、色がついているのはカバーだけです…。

日本古代史は多くの方が研究されているし、日々新しい発見もあります。
邪馬台国や卑弥呼、古事記の神話がどんな歴史的事実に基づいていたのか、解明されるのを楽しみにしています。

※アイキャッチの画像は、斐伊川の流れを宍道湖へ注ぎ込むようにする工事を終えたナムジを描いてみました。

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