ウィザードリィ 狂王の試練場

ウィザードリィ フロストジャイアント

元はアメリカで発売されていたロールプレイングゲーム(RPG)で、1987年にファミコン用に販売された。音楽は羽田健太郎が、敵キャラのデザインは末弥純が担当している。

前年の1986年、「ドラゴンクエスト」がファミコン初の本格RPGという謳い文句で発売されていた。友人の兄の強い勧めで、RPGが何なのかもわからずに貴重な小遣いをつぎ込んでドラクエを購入、いつの間にやらハマってしまい、気づけば毎日ドラクエをやっていた。

そして翌1987年12月に「ウィザードリィ」が発売される。確か、当時のファミコン雑誌の「ファミマガ」にも取り上げられていた。そこでウィザードリィを知り、その雰囲気に惹かれ、これは買わねばという強い思いで発売直後に購入した記憶がある。

ウィザードリィの画面は、遭遇した敵キャラの表示を除けば、コマンドなどの文字情報と壁や扉などのシンプルに描画された3Dダンジョンのデザインで構成されていて、見た目は非常に地味。だからこそ、羽田健太郎のBGMと末弥純の敵キャラのデザインは、プレイヤーの構築する世界観に大きく影響することになる。

「ウィザードリィのすべて」という攻略本を持っていて、そこに末弥純の描いた全敵キャラが掲載されているが、この本は今でも宝物のひとつになっている。ちなみに、プレイヤーが作成するキャラクターも、デザインとしては一切画面に表示されない。種族(人間、エルフ、ドワーフ、ノーム、ホビット)、年齢、キャラクターにつけた名前などが表示されるだけなので、自分で容姿や背景を好き勝手に想像してノートに書き溜めるのが楽しかった。

ゲームのオプション設定で、表示文言を日本語にするか英語にするか、とか、ダンジョン描画を面にするか線のみにするか、BGMのオン/オフを選択できた。パソコン版のオリジナルのソフトにより近い状態でプレイするための設定だと推測しているが、3Dダンジョンを線描画にすると非常に簡素で、逆に新鮮に感じた。

ドラクエの時には、単純にRPGとして自分が操作しているキャラクターの成長(レベルが上がった時の嬉しいこと!)やイベントをひとつずつクリアしていくこと(ローラ姫を助けた時の嬉しいこと!)を楽しんでいたが、ウィザードリィの場合は、自分で構築した「ウィザードリィ」の世界に浸ることを無意識に楽しんでいたんだと思う。

※アイキャッチの画像は、末弥純氏の描いた「フロストジャイアント」を参考にしました。

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